逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
・告白
☆凜side☆
――――――……
夜の10時過ぎ。あたしは自分の部屋にいた。
イスに座り、窓際の白いデスクに頬杖をついて深くため息をつく。
季節はもう冬に近づいてるというのに、卒業後の就職先はいまだに決まっていなかった。
不安からなのか最近、夜ほとんど眠れていない。
寝不足のせいで、時々めまいや頭痛がする。
このまえ会社の面接に行く途中にも気分が悪くなってしまい、面接を受けることができなかった。
最悪、卒業までにどこの会社にも内定をもらえなかったら、アルバイトでも何でもして、この家を出ていくしかない。
小さなデスクの上に広げた、ノートに目を向けた。
失くしていたと思っていたノートは、橘くんが持っていた。
橘くんは、このノートの中身を見たんだろうか……。
“涙星”
あたしは、初めて書いた詩のページを見つめる。
「……っ」
クラクラとめまいがして、ノートの文字が二重に見える。
あたしは怖くなって、星砂のキーホルダーを手でぎゅっと握りしめ、
デスクの上で頭を抱えて目を閉じた。
――コンコン、ガチャ……
ノックのあと、返事も聞かずに部屋のドアが開いた。
目を開けると、めまいはおさまっていて、イスに座ったままあたしはゆっくりと後ろを振り向く。