逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




あの日、橘くんはあたしを見つけて、助けてくれた……。



この部屋で、ベッドの上で肩を寄せ合って、眠りについた。



あたしの手を握る彼の大きな手、



その手のぬくもりに、



あたしは深いやすらぎを感じていた。



朝の光に目を覚ましたあたしは、橘くんの肩にもたれていた。



眠っている橘くんを起こさないように、あたしはそっとポケットの中のケータイを取り出して、時間を確認しようとする。



いま何時だろう……?



電源を切っていたケータイ。



電源を入れると、留守電が入っていることに気づいた。



あたしは、留守電のメッセージを聞く。
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