逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
こんな幸せな誕生日は初めてだよ……。
“Happy Birthday”
貝殻で作った文字の横に、フタを閉じた大きな白い貝殻があった。
それを指さして、彼は言った。
「それ、開けてみて」
何だろう……?
しゃがみ込んだあたしは、白い貝殻に手を伸ばす。
その大きな貝殻の中には……。
ペアリングが入っていた。
どうしよう……。
橘くんからのプレゼントに、涙が止まんない……。
「こういうの初めてだから、どんなのがいいのかわかんなくて……って、あれ?なに言ってんだろ、俺……」
橘くんがくれるモノは、全部あたしの宝物だよ……。
あたしはその貝殻を両手で包み込むように持ち、立ち上がった。
泣きながら彼の顔を見つめる。
「咲下……」
彼の優しいまっすぐな瞳。
「俺と……家族になってください」