逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
あたしは、ベッドの上から暗い窓の外を見つめた。
――あの詩を書いたのは、もう何年も前のこと。
“涙星”
あのとき書いた詩は、未来の自分にあてた手紙でもあったと思う。
いまのあたしは、あの詩の答えを。
あの頃のあたしに、なんて答えるだろう――。
つらいこと、いっぱいあったよね。
大丈夫。
我慢しないで、泣いていいんだよ。
あの頃のあたしが思っていたように。
きっと……涙は、いつの日か星になる。
その星は
大きな光となって、強い光となって
夜空に輝くから。
その星を“涙星”と呼んだね。
いつかね、夜空にある、いくつもの涙星が
あの頃の傷や痛みを、思い出させると同時に
いまそばにある幸せや、この瞬間を、
大切にすることを忘れてはいけないって
気づかせてくれる。
あたしは、ひとりじゃない。
ひとりなんかじゃなかったよ。
傷つかないで生きていくことは難しいけど、その中でも大切な人には必ず出逢えるから。
愛することを諦めなければ、きっと幸せは見つけられる。
大好きな人と手を繋ぐとね、
繋いだ手の中に“何か”が生まれる。
それは何だと思う?
その“何か”は、あなたが心で感じて……。
最後に。
あの頃のあたしに言葉をかけるなら……。
いま、どんなにつらくて。
悲しくて泣いていても。
負けないで。
“いつかきっと、心から笑える日がくるから”
☆END☆