逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
「よっ!」
「……よっ!」
びっくりして思わず橘くんと同じ言葉で返してしまった。
恥ずかしい……。顔が熱くなってくる。
「橘くん、どしたの?」
昼休みはいつも、みんなとグラウンドでサッカーしてるのに。
「あーえっと……そう!パン食いながら日本史の宿題でもやろっかなって思ってさ」
「そっかぁ。でも日本史の宿題って来週までだよね?」
「そーだったっけ……?そうそう来週までだから時間たっぷりあるよな」
「ノートも何も持ってきてないの?」
橘くんは購買のパンが入ったビニール袋と缶ジュースしか手に持っていなかった。
「あ、忘れた。まー今日はいっか、やらなくて」
そう言って橘くんは笑いながらあたしの隣に座る。
「え?やらないの?ふふっ」
もしかして宿題は口実で、本当はあたしを心配して図書室に来てくれたのかな。