逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



「お母さんっ」



病室に着くと、薄暗い中、お母さんのベッドの周りには心電図や血圧計などの機械があり、ふたりの看護師がそばに立っていた。



あたしはベッドのそばに駆け寄り、お母さんを見つめる。



「お母さん……お母さんっ」



お母さんの細い手を両手でそっと握りしめた。



「血圧が急激に低下したのでご連絡しました。先生もいま、こちらに向かってますから」



看護師の言葉にあたしは小さく頷く。



「話せなくてもね、凜ちゃんの言葉は、お母さんにちゃんと聞こえてるから。話しかけてあげてね」



そう言って、あたしの肩に手を置いたもうひとりの看護師は、



入院してからお母さんにいつも優しく接してくれていた看護師だった。



「はい……」



お母さんは、あたしの顔を見つめていた。



「お母さん……」



何度も。



「お母さん……」



お母さんの顔を見て何度も呼びかけ続けた。



あたしの声、聞こえてる……?
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