逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



あたしの名前を呼んでくれた気がした。



お母さんの手を握りしめて、お母さんの瞳を見つめる。



“凜”



あたしの名前を呼ぶ声。



忘れてないよ。



忘れるわけないじゃん。



お母さんの声が好きだった。



お母さんの優しい声が。



お母さんの瞳から伝わってくる。



お母さん……最後にあたしを思い出してくれたの……?



あたしの名前、呼んでくれたの……?



ありがとう。



ありがとう……お母さん。



あたしは涙をこらえて微笑む。



「お母さん……」



もう苦しまないでいいからね。



もう大丈夫だからね。



あたしのことは心配しないで。



お母さんの手をあたしの頬にあてた。
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