逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
よく頑張ったよ。
もう十分だよ。
咲下……。
「……うーっ……っく……ひっく……」
ずっと我慢してつらかったよな。
お母さんの前で泣かないって。
絶対に泣かないってそう決めたから。
本当はお母さんにしがみついて、泣きたかっただろうに。
最後まで笑顔を絶やさなかった。
よく頑張ったな。
もういいんだよ。
泣いていいんだよ。
思いっ切り泣いていいから。
いつか涙が枯れるまで。
泣き終わるまで、そばにいる。
俺がいるよ。
咲下……。
俺は咲下の手を握りしめたまま、左腕でそっと咲下を抱き寄せた。