中編集

中村弘②


早すぎたか、

と思いながら
いつもの待ち合わせ場所の
ベンチに腰掛ける。

まだ田中も来ていない。

一息吐いて
携帯を取り出す。

田中が来るまで
ゲームでもしていようか。

そう思い立ち
アプリを起動する。


音をオフにして、
カシカシと携帯に打ち込むのに
必死になっていると
いきなり肩を叩かれる。

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