中編集

お腹、いっぱいだったらすいません。


と、遠藤さんは
申し訳なさそうに
眉尻を下げる。

何処となく、
頬がまだ赤い気がする。



「いや、
丁度小腹空いてたから
有り難いけど…いいの?
遠藤さん、
食べようとしてたんじゃ」

「いいえ!
皆で食べたほうが美味しいですし、
一人で食べるとかえって
いっぱいいっぱいで…」



それは確かに、
と思ってしまった。

このパンは
一人分にしてはでかすぎる。

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