中編集

に、

と続くはずだった言葉は
頬に落ちた彼の唇で
強制的に黙らせられた。

一気に顔に血が昇るのが良く分かる。


こんな、こんな人がたくさんいる街中で、
かろうじて口ではないけど
キスしてくるなんて!


文句を言おうとしたけど
口が上手く回ってくれない。



「な、な、」

「二人がいるから
我慢しようと思ったんだけど、
やっぱり
無理だったや」


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