永久桜
~1995年 夏~ プロローグ
8月○×日
海の香りが鼻を擽る。
真っ白いワンピースに身を包むほのかは、
車椅子を押しながら、
しゅんに話し掛ける。
「しゅん君もう着くよ」
優しい声に薄らと瞳を開ける、しゅん。
暖かい風に微かに潮の香りが混ざり、
波の音が聴こえて来る。
「しゅん君おはよう♪日射しが気持ち良いよ」
ほのかは語り掛けながら砂浜の手前で車椅子を止める。
しゅんを抱き寄せ木陰に座らせ
横に寄り添う様にほのかも座り込んだ。
細やかな幸せ、穏やかな時間が二人を包む。
不と意識が朦朧とする中、しゅんが口を開く
「ほっほの・か、ごっ、ごめんな。」
「ん?」
「こっ、こんなっ、ぼっ僕のわっ、我がままに、つっ、付き、合って、くれ、て…」
「謝らないで、私しゅん君の事大好きだもの。幾らでも付き合うわ。」
ほのかの目頭がぐっと熱くなる。
「ぼっ僕は、いっ今まで、きっ君に、なっ何も、してあっ、挙げられな、かった。」
しゅんは意識を失いそうになる。
「しゅっん君?しゅん君?しっ、しっかりしてっ、しゅん君っ。」
ほのかは涙を浮かべて、しゅんの手を握った。
「私ね、しゅん君に伝えなければいけない事あるの」
「なっなあぅに?」
しゅんが微かな声で尋ねる。
ほのかは握った手をそのまま自分のお腹に置いた。
「しゅん君、しゅん君は、パパになったんだよ。」
満面な笑みで答えた。
しゅんの瞳から一筋の涙が落ちる。
「ほっほのか、いっいいの、か?」
「うん。私、後悔しないよ。」
力強く答えるほのか。
「ほっほの、か、あっあり、が、とう。もっもう、少し、そっ傍に、一緒に、いた、かった…。」
しゅんが静かに目を閉じていった。
「しゅん君!しゅん君行かないで、ねぇ~逝かないでよう。私を置いて逝かないでよう~。」
しゅんは二度と目を開ける事は無かった。
暫くして空を見上げるほのかは、
涙を拭いしゅんを抱き締めながら、
「行こう。あの場所へ・・・。」
海の香りが鼻を擽る。
真っ白いワンピースに身を包むほのかは、
車椅子を押しながら、
しゅんに話し掛ける。
「しゅん君もう着くよ」
優しい声に薄らと瞳を開ける、しゅん。
暖かい風に微かに潮の香りが混ざり、
波の音が聴こえて来る。
「しゅん君おはよう♪日射しが気持ち良いよ」
ほのかは語り掛けながら砂浜の手前で車椅子を止める。
しゅんを抱き寄せ木陰に座らせ
横に寄り添う様にほのかも座り込んだ。
細やかな幸せ、穏やかな時間が二人を包む。
不と意識が朦朧とする中、しゅんが口を開く
「ほっほの・か、ごっ、ごめんな。」
「ん?」
「こっ、こんなっ、ぼっ僕のわっ、我がままに、つっ、付き、合って、くれ、て…」
「謝らないで、私しゅん君の事大好きだもの。幾らでも付き合うわ。」
ほのかの目頭がぐっと熱くなる。
「ぼっ僕は、いっ今まで、きっ君に、なっ何も、してあっ、挙げられな、かった。」
しゅんは意識を失いそうになる。
「しゅっん君?しゅん君?しっ、しっかりしてっ、しゅん君っ。」
ほのかは涙を浮かべて、しゅんの手を握った。
「私ね、しゅん君に伝えなければいけない事あるの」
「なっなあぅに?」
しゅんが微かな声で尋ねる。
ほのかは握った手をそのまま自分のお腹に置いた。
「しゅん君、しゅん君は、パパになったんだよ。」
満面な笑みで答えた。
しゅんの瞳から一筋の涙が落ちる。
「ほっほのか、いっいいの、か?」
「うん。私、後悔しないよ。」
力強く答えるほのか。
「ほっほの、か、あっあり、が、とう。もっもう、少し、そっ傍に、一緒に、いた、かった…。」
しゅんが静かに目を閉じていった。
「しゅん君!しゅん君行かないで、ねぇ~逝かないでよう。私を置いて逝かないでよう~。」
しゅんは二度と目を開ける事は無かった。
暫くして空を見上げるほのかは、
涙を拭いしゅんを抱き締めながら、
「行こう。あの場所へ・・・。」