永久桜
~1章 1994年 冬~
12月○×日
見覚えのあるお寺の境内
咲き誇る桜並木
そこに、一段とそびえ立つ
大きな一本の桜に
幼い男の子と女の子が、
手を繋ぎ立っている。
二人は、上を見上げ
「お~き~い~ね~」
「うん、お~き~い」
「また、いっしょにこようね」
「うん。」
「しゅ~んく~ん、やくそくね。」
「うん、やくそく。」
微笑みながら指きりをする二人。
・
・
・
徐々に場面が消えゆく…。
「う、う~ん。」
気だるい体を起き上がらせて、
眠気眼を手で擦る。
視界が鮮明になってくる。
僕は、いつもの病院のベッドの上
真っ白いカーテンに曇りガラス、
外は白い雪が深々と降り積もっていた。
時計の針は午前10時を指す。
僕は、不とさっきの夢を思い出していた。
コン、コン、ドアをノックする音
ドアが開く。
少しおっとりとした口調で
僕を呼ぶ声がした。
「っん君、しゅん君、入るよ~」
声のする方に目をやる、しゅん。
そこに制服姿の女の子が立っている。
世話好きで幼馴染み、お寺の一人娘。
高校3年 桜舞 ほのかだった。
見覚えのあるお寺の境内
咲き誇る桜並木
そこに、一段とそびえ立つ
大きな一本の桜に
幼い男の子と女の子が、
手を繋ぎ立っている。
二人は、上を見上げ
「お~き~い~ね~」
「うん、お~き~い」
「また、いっしょにこようね」
「うん。」
「しゅ~んく~ん、やくそくね。」
「うん、やくそく。」
微笑みながら指きりをする二人。
・
・
・
徐々に場面が消えゆく…。
「う、う~ん。」
気だるい体を起き上がらせて、
眠気眼を手で擦る。
視界が鮮明になってくる。
僕は、いつもの病院のベッドの上
真っ白いカーテンに曇りガラス、
外は白い雪が深々と降り積もっていた。
時計の針は午前10時を指す。
僕は、不とさっきの夢を思い出していた。
コン、コン、ドアをノックする音
ドアが開く。
少しおっとりとした口調で
僕を呼ぶ声がした。
「っん君、しゅん君、入るよ~」
声のする方に目をやる、しゅん。
そこに制服姿の女の子が立っている。
世話好きで幼馴染み、お寺の一人娘。
高校3年 桜舞 ほのかだった。