永久桜
「べっ、別に具合悪い訳じゃないよ!ちょっと、ぼ~としてただけだよ。」
焦るしゅん。

彼女は再度覗き込み
「ほんとに~~!」

僕は、たぶん?
いや確かに赤くなっている顔を慌てて外に向けた。

彼女はホント心配性である。でも無理も無い。

僕は生まれてこと方、体が弱く難病を抱えていたからだ。

中学に入った頃から、病状が悪化し入退院を繰り返していたのだ。

僕自身も母から告げられていた。病の事…。

「ごめんね、しゅん。この病気ね、治らないんだって。先生に言われたの。本当にごめんなさい。」

母さんは、そう言って泣いていた。

その時、
僕は母さんに一つだけお願いをした。

「ほのかには、言わないで。」と・・・


あれから数年

体は刻一刻と蝕われていく。

そんな僕が、
自暴自棄に成らないのも彼女が、
入院するたびにお見舞いに来ては、
話し相手になって心を支えて暮れたお陰だった。



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