TENDRE POISON ~優しい毒~
梶田は僕を校舎裏に引っ張って行った。
彼も鬼頭と同じ学校のジャージ姿だった。
鬼頭のクラスは次の授業は体育のようだ。
校舎裏の一角―――ちょうど保健室の窓がある辺りで、僕は乱暴に突き飛ばされた。
「っつ……何するんだ」
「何するって、こっちの台詞だぜ。あんた、鬼頭とどういう関係なんだよ」
梶田は何やらすごい剣幕だ。
「どういうって、ただの教師と生徒だよ」
「嘘だ!じゃぁ何で鬼頭はいっつもあんたと一緒にいるんだよ!」
「いつも一緒って…彼女には手伝いを頼んでるだけだから。それだけだよ」
「ホントにそれだけかよ」
梶田は食ってかかる。
僕は降参というように、両手を挙げて
「ホントにそれだけだよ。彼女とは何もない」と弁解した。
梶田は一応は納得したかのように、いからせた肩の力を抜いた。
「先生は、鬼頭のこと好きなのかよ」
これには僕も驚いた。
周りから見たらそう見えるのか?
「そんな感情ないよ。生徒としてしか見れない」
はずだ……