TENDRE POISON ~優しい毒~
「ホントにそうなんだな」
「誓って」
僕は真剣な顔で頷いた。
「一応は信じる。だけどなっ!鬼頭に何かしてみろ!ただじゃおかねぇからなっ!!」
梶田はそう捨て台詞を吐くと、さっと踵を返して行ってしまった。
後に残された僕は、
「何だよあれ……」
と呟いた。
「青い春ってやつですねぇ。」
ふいに頭上で声がして、僕は顔を上げた。
「よっ」まこが右手を上げて、僕を見下ろしてる。
「まこ……話聞いてたの?」
「聞こえたの。あんな大声で喚かれたら誰だって気づくさ」
まこはくっくっと笑っている。
「趣味が悪いな。聞いてたなら助け舟出してよ」
僕が唇を尖らせると、
「だって面白そうだったんだもん」
しれっとまこが言う。
「ガキはガキ同士仲良くやってろってーの」
まこがのんびりと頬杖をついた。
鬼頭と、梶田―――お似合いだ……
僕なんかよりずっと……彼女にふさわしい。