TENDRE POISON ~優しい毒~
◆午前3時のチョコ◆
◆◆◆◆◆◆◆◆
「さいてー」
鬼頭はそう言って出て行ってしまった。
僕は追いかけることもできなかった。
鬼頭の言ったとおり、僕は最低だ。
鬼頭をまこと間違えるなんて……
ピンポーン
ソファの上で頭を抱えてると、インターホンがなった。
誰だろう。こんな時間に……
「はい」
インターホンに向かって気のない返事をする。
『あ、俺』
……!
僕は慌てて、扉を開けに走った。
ガチャリと音を立てて、扉を開けるとまこが突っ立っていた。
「よ!」
「どうしたの?」
「単なる気まぐれ。ほれ、差し入れ」
そう言ってまこは僕にケーキの箱のようなものを手渡した。
「お前んちで一杯やろうかと思ってね」