TENDRE POISON ~優しい毒~



―――――

―――


次の日の学校で、鬼頭を見かけることはあったけど彼女と目が合うことはなかった。


気づいていないのか、それとも敢えて存在を無視してるのか……


どちらとも分からない。





数学の授業をしていると、窓の外でマラソンを走ってる生徒たちがいることに気づいた。


鬼頭もその一人だ。


彼女はこの前と同じジャージ姿でポニーテールを揺らしている。


彼女はマイペースにトラックを走っていた。



男でも女でも不良でも優等生でも顔の造形と関係なく、どんな生徒も可愛く見える。


でも、やっぱりダントツは鬼頭だな。





こんなこと考えてる僕は変なのだろか…




――――――

―――


放課後、今日鬼頭には手伝いをしなくていい、と断りをいれてある。


昨日そのことを伝えたら、


「そっか。飲み会があるっていってたもんね」


と何も気にしてないようだった。


飲み会に変わりはないが、





僕の心がチクリと痛む。









< 136 / 494 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop