TENDRE POISON ~優しい毒~
「水に月って書きます」
「へえ。ステキな名前」
エマさんが手を合わせた。
白い頬にピンク色が差す。
肌の白さとか……ますます鬼頭と似てる。
「ちょっとエマ、抜け駆け禁止!」アミさんがエマさんをちょっと睨んだ。
エマさんは益々顔を赤くした。
ビールが運ばれてきて、僕たちは乾杯した。
まこと千夏さんは僕の目の前で、ラブラブな様子だ。
僕はその二人から目を逸らして、ビールを煽った。
「水月くん、お酒強いんだ」
隣に座った確かエマさんと言ったか、彼女が頬を上気させて笑顔で聞いたきた。
笑った顔も鬼頭に似てる……といいたいところだが、
それは違った。
鬼頭の笑顔はもっとこぼれるような、太陽みたいな笑顔なんだ。
僕は頭を振った。
違う!彼女は……エマさんは鬼頭とは違う。