TENDRE POISON ~優しい毒~
「まだ分かんないよ。僕のことは放っておいてよ」
酒のせいかな?いつもより口調がきつくなるのは。
こんな風に言いたいわけじゃないのに。
ふいにまこが僕の頬に指を触れた。
ドキリと心臓が大きな音を立てる。
「お前……本当に大丈夫か?一体何杯飲んだ?」
アルコールとまこの指のせいで、心臓がいつもよりずっと早く強く波打つ。
ドキン……!ドキン……!
「まこ……僕は君が……」
「水月くん!」
僕の声は一つの声でかき消された。