TENDRE POISON ~優しい毒~
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浅い眠りが続いて、僕は何度も寝返りを打った。
何度目かの身じろぎで、うっすらと目を開けると目の前に鬼頭が眠っていた。
鬼頭……!!
じゃなかった。
昨日の合コンで知り合ったエマさんだ。
ほっとするのもつかの間、
僕はがばっと起き上がった。
見覚えのある部屋。僕の部屋だ。
確かめるまでもなく、僕は服を何も身に着けていなかった。
もちろんエマさんも。
やってしまった……
文字通り。
僕は思わず頭を抱えた。
窓の外を見るとまだ暗い。
枕元に置いたケータイを見ると、午前5時を指していた。
どうりで暗い筈だ。
僕は脱ぎ散らかしたスーツのズボンだけを履くと、そろりとベッドから抜け出した。