TENDRE POISON ~優しい毒~
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学校へ着くと、教室で女子たちが固まってなにやら騒いでた。
「あ、鬼頭さんおはよ~。鬼頭さんも投票しない?」
クラスの女子、斉藤さんが一枚の紙を持って近づいてきた。
あたしは普段梶以外のクラスメイトをあまり会話をしないから、斉藤さんはわざとらしいぐらい明るい口調だった。
どこか恐る恐るという感情が見え隠れしている。
「投票?生徒会選挙?」
あたしが聞くと、斉藤さんはキャハハとわざとらしく明るい笑い声をあげた。
「違うよ~。毎年この時期にあるんだって。学内イケメンコンテスト♪ていっても女子だけが投票して順位を決めるんだけどね~」
イケメンコンテストって……みんな暇なんだな。
「ちなみに去年の3位は三年の楠先輩だって」
明良兄が…?まぁ、ワルっぽいけど確かにかっこいいもんね。
「あたしは今年こそ楠先輩に一位になってほしいな」と、斉藤さんの後ろから井出さんが顔を出した。
「あたしはやっぱり保健室の先生♪去年は2位だったんだよ」と斉藤さん。
へぇ、あのエロ保健医がねぇ。どこがかっこいいんだか…あたしにはさっぱり理解できないよ。
あたしのそんな考えを読んだのか斉藤さんは続ける。
「あのワイルドな大人の魅力?みたいな。それがいいのよねぇ」
女子たちはキャアキャア騒いでる。
「で、一位は?」
あたしは興味本位で聞いてみた。