TENDRE POISON ~優しい毒~
掻き揚げた髪の隙間から白い耳たぶが見えた。
ぎっしりとピアスがささっている。軟骨部分までもある。
ピアスは校則違反だ。だけど僕は敢えて咎めることはしなかった。
でも僕はちょっと顔をしかめる。
「ピアス……痛くないの?」
「え?ああ」
鬼頭はちょっと考えるように首を傾けたが、すぐに
「平気」と言って目を伏せた。
長い睫が降りて、白い頬に影を作る。
少女のような可憐さと、大人の女の妖艶さを持ち合わせていて、そのアンバランスな色気が妙に色っぽい。
僕は思わず見とれていた。
だがすぐはっとなって、
いや、相手は生徒だぞ!
それに僕には好きな人がいるんだ―――