TENDRE POISON ~優しい毒~
「僕も子供じゃないんだし、気に入ったら自分で何とかするし」
僕は、まこの唇に挟まったタバコを取り上げた。
鐘が鳴ってる。
「授業だ。行かなきゃ」
―――――
―――
その日の晩僕は夢を見た。
まこの夢でもなく、エマさんの夢でもない。
鬼頭の夢だった。
「せんせい」
彼女は優しく微笑みながら僕を手招きしてた。
黒いキャミワンピは彼女の白い肌をより一層引き立てているようで、よく似合っていた。
僕は鬼頭の私服姿なんて見たことないのに……
でも、とてもリアルだったんだ。
「先生……」
僕は彼女に一歩近づいた。
「先生、大好きだよ」
微笑みながら、僕は一歩近づいた。
鬼頭の口から聞く「好き」って言葉、
僕はすごく好きだ。
たとえそれが彼女の勘違いであったとしても、誰かに愛されるてることを実感できるから。