TENDRE POISON ~優しい毒~


「どうすんだよ…」


明良兄が急に肩を下げるとうなだれるように言った。


「これ撮ったのって誰なんだろ?」


「誰かは分かんねーけど、学内HPを作成してるのは新聞部だ。ったく、暇な奴らだよ」


明良兄が舌打ちした。


「新聞部の方は任せて。この仕打ち倍にして返してやるんだから」


あたしは親指の爪を噛んだ。




きっと、神代とあたしは呼び出されるだろう。


神代とは何もない。事実無根だから神代が辞めさせられることもないし、あたしが退学させられることもない。


だけど神代は……?


この事実を知って、しばらくあたしには近づかないかも。


それにあの保健医は?


怒ったら何をしてくるか分からない。






深く息を吸い目を閉じて、あたしは頭の中で計算した。






どうすればいい?


どうすれば―――









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