TENDRE POISON ~優しい毒~
「わけが違うって?」
僕の声が震えていた。
「あいつをただの女子高生にしておくのはもったいないって話。頭が切れて、でも何を企んでるのか分からない腹黒さがあって、おもしろい」
まこが顎の先を指でつまんだ。
「腹黒いって、彼女に失礼だよ」
綺麗な指で顎を撫でながら、まこがこちらを向く。
「マジな感想。でも、お前お咎めなしなんだろ?ホントに良かったな」
「……うん。彼女とはしばらく距離を置くことにしたよ」
僕は歯切れの悪い返事を返した。
「それがいい」
まこは納得したように、ふんと鼻を鳴らした。
――――
――
まこと別れて、僕は一人校舎裏でタバコを吸うことにした。
幸いにも人がいない。
僕が感じた嫌な予感ってなんだったんだろう。
まこが鬼頭に興味を持ったから……?
僕は嫉妬しているのだろうか?
誰に?
鬼頭に?
それともまこに?