TENDRE POISON ~優しい毒~
◆午後5時の雨◆
◇◇◇◇◇◇◇◇
半年間、神代の助手―――
神代はどう出るかと思ってたけど、まさかこんな風に来るとはね。
あたしは昇降口で雨空を見上げた。
雨は一向に止みそうにもない。
午後五時。生徒たちは下校して、周りには誰もいない。
静かだった。とても……
この世界の静寂を集めたような、そんな静けさだった。
「てか、傘持ってないし……」
どうしよう、と考えてると遠くから声がした。
「鬼頭!」
神代だった。