TENDRE POISON ~優しい毒~
「連れて行かれたって、どういう…」
僕が最後まで言い終わらないうちに梶田は大声をあげた。
「わかんねぇよ!!5人ぐらいの集団で、あいつしめられっかもしれねぇ」
僕は目を瞬いた。
「落ち着きなさい。何でそんな風に思うんだ?」
僕が両手で彼を宥めようとすると、梶田はキッと目を光らせて僕を睨んだ。
「あんたのせいだよ!あんたが鬼頭に手伝いをさせるから、あんな写真…!
鬼頭を連れてったのはあんたの親衛隊だ!」
親衛隊って…僕にそんなものがあるのか。って感心してる場合じゃない!
「何で着いて行かなかった!」僕は思わず怒鳴っていた。
梶田は少しひるんだように一歩後退した。
「…俺がいないときに連れてかれたんだよ」
「とにかく、手分けして探そう。君は校舎裏を頼む。僕は校舎の方を見てくる」
「お、おう…」
僕の言葉に圧倒されたように、梶田が回れ右した。
僕は校舎に向かって走り出した。