TENDRE POISON ~優しい毒~

◆午前10時の喧嘩◆


◇◇◇◇◇◇◇◇

体のあちこちがずきずきと痛んで熱を持ったように熱い。


辺りが騒がしい。


「鬼頭!しっかりしろ!」神代の声が遠くで聞こえる。




「梶田!ちょうど良かった。まこを……保健室の先生を呼べ!ついでに救急車だ!」


「お、おい。何があったんだよ……」


梶の声も聞こえた。



「いいから!今すぐ呼んで来い!!」



神代の怒鳴り声を聞いてあたしはちょっとびっくりした。


そんな風に怒ったりする声、初めて聞いたよ。




勇ましくて、ちょっと……


かっこいいじゃん。



そもそもあたし何でこんなことになったんだろ。



――――

――


そうだ。三年の先輩たちの呼び出されたんだ。


校舎の三階。使われてない第二音楽室の前まで連れてこられて―――


「あんたどういうつもり!?」


学校内で一番綺麗で、神代に迫ったって降られたっていう先輩だ。



三年の先輩はお決まりの台詞を吐いた。







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