TENDRE POISON ~優しい毒~



◆◆◆◆◆◆◆◆



僕は職員室に戻ると、鬼頭の過去の成績表を眺めた。


開いて僕は目を剥く。


テストでは毎回学年一位。


それも毎回満点に近い点数だった。


現に僕の作ったテストも毎回高得点をあげている。


授業態度も悪くなく、他の先生たちからの受けもまあまあだった。


と言うより、可もなく不可もなく。悪い意味でも良い意味でも目立つ行動をする生徒ではない。






『お前何か恨まれるようなことしたんじゃねぇの?』



まこの言葉がよみがえる。




そうかもしれない。


自分では、他の生徒と分け隔てなく接してきたつもりだったけど、どこか気に食わないことがあったのかもしれない……




「神代せーんせ」





ふいに名前を呼ばれ、タバコの箱が僕の手元に置かれた。


顔をあげるとまこが立っていた。


「ちょっと付き合ってくんない?」












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