TENDRE POISON ~優しい毒~

まぶたが震えて、長い睫を瞬かせると神代はゆっくりと目を開けた。


「……れ?鬼頭……?」


寝起きのかすれた声を上げてあたしをじっと見る。


「……おはよ」


「おはよぅ」神代は何やら幸せそうにふわふわと笑うと、また目を閉じた。




なにこれ……


超可愛いんですけど!




神代って寝起き悪い(?)の?小動物みたい。そういや飼い犬のゆずもこんな感じでいつも口元が笑っている気がする。


起こすべき?いや、気持ち良さそうにまた寝ちゃったし……


どうしよう……なんて考えてると、出し抜けに神代がパチッと目を開いた。




びっくり!した。急だったから。





「……雅?」




へ?今なんて言った?



なんて思っていると神代はあたしの首に手を回して引き寄せると神代は真顔であたしに迫ってきた。


な!!!



「ちょっと!先生!寝ぼけてるんですか?」


パチンっいい音が部屋に響いた。




思わず神代の頬を平手で打っちゃった。




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