TENDRE POISON ~優しい毒~
はぁ!?
何言ってんの!?正気?
あたしが目を開いたまま一歩後ずさった。
「ばぁか。何警戒してんだよ。消毒だ。ついでに包帯も替えてやる」
消毒……なんだ……
あたしはちょっとほっとして胸を撫で下ろした。
でも、こいつの前で肌をさらすのは抵抗がある。何て言ったってこいつは危険人物。
前にも襲われそうになったしね。
だけど神代からこいつを奪うには色仕掛けしかないし。
どうしようか悩んでいると、保健医は苛々したように眉を吊り上げた。
「早くしろよ。何なら俺が剥ぎ取ってやってもいいぜ?ま、ガキの裸に興味なんてないがな」意地悪く口の端をあげる。
この!エロ保健医が!
あたしは仕方なしに着ていたパーカーのファスナーを下げた。
こういう時に限ってキャミ着てないんだもん。パーカーの下はブラ一枚だ。
だけどこんななりしてるけど、こいつは医者で、今あたしは怪我人なんだ。
「おっ。黒?お前エロいのつけてんのな」
保健医がちょっと意外そうに目を細めて、ソファの上に肘をついた。
「早くしてよね」あたしは目を細めて保健医を睨み返してやった。