TENDRE POISON ~優しい毒~
まこの茶色に染め上げたちょっと長めの髪が首筋に流れている。
色っぽいな……と感じた。
鬼頭の色っぽさとはまた種類が違う。
背骨に続く出っ張った骨もきれいに見えた。
そう言えば、まこを上から見下ろすなんてことあんまりないな。
身長の差があるからいつも見下ろされてはいるけど。
こうやって見ると、まこは何をとっても……
きれいだな。
突然まこを後ろからきゅっと抱きしめたくなった。
抱きしめて気持ちを打ち明けられたら……
ガチャ。
ふいに寝室の扉が開いて鬼頭が顔を出した。
僕はびっくりして、まこの肩から手を離した。
僕……一体どんな顔してただろう。
鬼頭は一瞬目を開くと、すぐに寝室に引っ込んでいった。
「何だあいつ?」
まこが不思議そうに首をかしげてる。
「……なんだろうね」
そう答えるしかできなかった。