TENDRE POISON ~優しい毒~
◆午後6時の沈黙◆
◇◇◇◇◇◇◇◇
午後6時。
あたしんちで明良兄と二人食事をしている。
別にいつも一緒に食事するわけじゃないよ。
今日はたまたま、ね。
「うまい。雅、いい嫁さんになるよ」
あたしの作った肉じゃがを食べながら、明良兄が言った。
「ありがと。そう言えば、あたし半年間神代の助手を務めることになったよ」
あたしは照れ隠しに言った。
「助手?」
明良兄は箸を休めた。
「うん。助手って言っても単なるお手伝いだけど。それでも神代に近づくチャンスがぐっとあがるよ」
「お前、すげーな!どうしたらそんな展開になるんだよ」
あたしはちょっと得意げに笑って、白紙の答案用紙を提出したことを話した。
「すげぇな。ま、お前だからできることだけど。
てかごめんな。乃亜のためにお前がわざわざ俺たちの高校受験して。ホントはもっとレベルの高い高校に行けたはずなのにな」
「やめてよ。あたしが好きでやってるんだから」
あたしはちょっと眉を寄せた。
「あたしは乃亜の復讐に全てを賭けてるの」