TENDRE POISON ~優しい毒~
「な!違うからっ」梶が慌ててる。
あたしは曖昧に笑うことしかできなかった。
プリンを食べ終えると、あたしは梶の部屋に案内された。
部屋の扉は開けたまま。
「閉めないの?」って聞くと、
「こうしておくと、お前も安心だろ?」と梶が笑った。
梶のこと……嫌いじゃないよ。
むしろこうゆう気遣いが優しくて好き。
梶が密室であたしに何かしてくるとかも考えられない。
ううん、信じてるって言ったほうが正しいのかな。
でも、あたしは梶の彼女にはなれない。
それとも恋愛なんてこんなものなのかな。
嫌いじゃない。その言葉イコール好きではないけど、付き合うきっかけにはなるのかな?
でも変だね。
神代を見るときのドキドキとか苛々とか―――
そんな感情を梶には抱けないんだ。