TENDRE POISON ~優しい毒~
「ホントは俺がやるべきことなのに」
「男の明良兄にはできないことだよ」
あたしはちょっと笑った。
明良兄も笑顔を返してくる。
「でも、お前はホントにできた妹だよ。血が繋がってるわけじゃないのに、乃亜のためにそこまで必死になってくれて」
「血が繋がってなくてもあたしにとって乃亜姉はホントのお姉ちゃん同然なんだよ。だから神代が許せない」
あたしの言葉に明良兄はちょっと寂しそうに笑った。
「ホントのお姉ちゃん……か」
「明良兄?」
明良兄はちょっと遠い目をすると、一つ息を吐いた。
「俺……実は乃亜とは血が繋がってないんだ」