TENDRE POISON ~優しい毒~

物の考え方とか、表情とか。


大人の女のような反応を見せる鬼頭に、最初は戸惑った。


いつも見透かされているようで、最初はとっつきにくかった。


でも今は違う。


鬼頭と、ちゃんと向き合える気がするんだ。


それは鬼頭が変わったからなのか、それとも僕の彼女を見る目が変わったのか。


どっちだろう―――




鬼頭が水を飲み終えるのを待って、僕は再びDVDを再生した。


再生するとやっぱり鬼頭は怖そうにしがみついてきて、


衣服にまとったタンドゥルプアゾンがその度に心地よく香ってくる。





でも僕は忘れていた。






それが「毒」の異名を持つことを―――





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