TENDRE POISON ~優しい毒~
「伝えたって、好きだって告白したんですか?」
「……うん」
「あいつは何て?」
「まこは……友達としか見れないって。当然だよね」
僕は自嘲じみた笑みを漏らすと、空いた方の手で額を覆った。
「そう……」
鬼頭は短く答えただけだった。
だけどその瞳が暗く曇っている。
同情とは違う、何か別の感情で僕の結果を悲しんでる……ように見えた。
「何か色々迷惑かけてごめん」
「迷惑だなんて……別に…じゃ、あたし急ぐんで」
乱暴に腕を払うと鬼頭は今度こそ行ってしまった。