TENDRE POISON ~優しい毒~
「話ってなに?」
あたしはむくりと起き上がった。
「何から話せばいいんかなぁ」
皿を置くと、保健医はタバコを口から抜き取った。
ゆっくりとした動作でタバコの煙を吐き出すと、保健医はあたしの顔をまじまじと見た。
何よ……
「やっぱりさぁ、俺お前のこと見くびってたわ。たかが女子高生って思ってた。俺の考えが甘かった」
「何が言いたいんですか?」
あたしはわざと丁寧に言って、わざと挑発するように言った。
その先の言葉が聞きたい。
「お前、楠 乃亜の復讐をする為に水月に近づいたんだろ?」