TENDRE POISON ~優しい毒~
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11時。
僕と鬼頭は一緒にベッドに入った。
恋人でもないのに、同じベッドに寝るなんて何だか気恥ずかしい。
しばらくはお互い無言でいたのに、20分ぐらいたった頃かな?ごそっと布団が動いて鬼頭が僕のほうに体を向けた。
「先生、起きてる?」
「ん。起きてるよ。どうした?眠れないの?」
「うん。先生もでしょ?」
「僕は……寝つきが悪いから」
「子守唄歌ってあげようか」鬼頭がからかいながら笑った。
「遠慮しておく」
「もうすぐクリスマスだね。先生欲しいものとかないの?」
「彼女が欲しい」
冗談交じりで言ったら鬼頭は布団の中で笑った。
「保健医はもういいの?」
「いいも何も最初っから見込みなんてなかったし。
でも言ってすっきりしたよ」
嘘……ホントはまだ好きだ。まこが普通に接してくれればくれるほど、僕はまだ彼の傍にいられんだと、期待を持ってしまう。
いっそのこと手ひどく振られたほうが良かったのか……