TENDRE POISON ~優しい毒~
「何?」
「いや、どっかで見た気がしたんだけど……」
神代はどこだったかな、と言って首を捻ってる。
どこって……
あ
乃亜姉の病室。色違いで買ったチュニックが飾ってあったんだ!
やばっ!
「最近流行ってるから。こうゆうの。どっかで見たんじゃない?」
「そっか~」
あたしの言い訳も神代は気にしてない様子で、自分もスーツのジャケットを脱いでる。
ジャケットをソファに置いてシャツのボタンに手をかける。
あたしがじっと見てると、
「あの……着替えたいんですけど」と神代が恥ずかしそうに半目であたしを見た。
「何よ。男でしょ?もったいぶるもんでもないでしょうが」
あたしは言ったけど、神代は嫌だったらしくあたしは寝室に追いやられた。
びっくりした。
だって、服を脱ぐ姿が……何て言うか色っぽく見えて……
そう言えばあいつ、ああ見えて細マッチョだったなぁ。
あの手に触れられたい。
あの腕に抱きしめられたい。
キスをして、抱き合いたい。
欲望は果てしない……ね。