TENDRE POISON ~優しい毒~



◆◆◆◆◆◆◆◆




「ふぅん。あれが噂の鬼頭ね」


腕組みをしてまこが口を開いた。


「何かとっつきにくそうな生徒だ。何考えてるのかさっぱりわからん」




まこは不審そうに扉のほうを見ている。


「感情をあまり表に出さないんだよ。僕も行くよ」


そう言って扉のほうに向かった僕をまこが呼び止めた。




「水月、お前のほうが倒れそうな顔してる。お前こそ、少し休んでけ」


僕が顔色が悪いのは、昨日さんざんまこのことを考えていたからだ。




「え……。休むってベッドで?」


「ほかにどこがあるんだよ」


まこはふんと鼻を鳴らした。





「いや、でも……」


「聞きたいこともたくさんあるしさ。どうせ次は授業がないんだろ?」






聞きたいこと……?











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