TENDRE POISON ~優しい毒~
血の涙
◆午前2時の告白◆
◇◇◇◇◇◇◇◇
どうしようか……
勢いで泊まるなんて言っちゃったけど。
「朝食は朝7時から9時の間に一階の食堂に用意してあります。どうぞごゆっくり」
ペンションの店員はにこにこ顔で出て行った。
部屋は青と白を基調とした可愛らしい部屋だった。
なんて言うのかな?人魚姫が住むんだったらまさにこんな部屋だよね、って思える女の子受けのいい部屋だ。
壁際に白い木でできたドレッサーがあり、その上に小さなクリスマスツリーが置いてあった。
そう言えば今日はクリスマスだった。
「鬼頭、先シャワー浴びといで。その格好じゃ風邪引くよ」
神代はそっけなく言うと、ベッドに腰掛けた。
なんだろう。
ペンションに入るなり急に黙りこくって。
あたしの方を見ようともしない。
それが何だかムカムカした。
「じゃ、お先に」
あたしもそっけなく言うと、慌しくバスルームに入った。
何よ、あの態度は。
何か怒ってるの?
もやもやした何かを抱えたまま、あたしは熱いシャワーを浴びた。