TENDRE POISON ~優しい毒~
「じゃぁエマさんのことも好きだったの?」
あたしはちょっと意地悪を言ってしまった。
神代の困った声を聞きたくて。
あたしってSかな?
「う゛」と案の定神代は詰まった。
あたしはちょっと笑うと、神代をそっと押しのけた。
「鬼頭?」
引き離された、腕を下ろし不安げにあたしを見つめてる。
あたしは神代の目をじっと見据えた。
何もかも、見通せそうなほど彼の目は澄み切っていた。
「そんな曖昧な言葉はいらない。聞かせて?先生の本当の気持ちを。本当の言葉を」
あたしどんな顔してるのかな。
神代はちょっと面食らったように目をぱちぱちさせていたが、やがて両腕をあたしの肩に乗せると口を開いた。
「鬼頭のことが……いや
雅を
好きになった。
愛してる」