TENDRE POISON ~優しい毒~


「俺がやめろって言っても聞かないよな。お前はこう見えて結構頑固だから」


まこが呆れたようにため息を吐く。


僕は布団を引き上げた。


まこが言っていることは分かる。心配してくれてるのも分かる。






でも……


そうじゃないかもしれないけど、鬼頭 雅の心に闇があるのなら、僕は救いたい。


こんなのエゴだとしか言いようがないけれど、これは僕のためでもある。








「TENDRE POISEN(タンドゥルプアゾン)……」



唐突にまこが口を開いた。


「え?」


僕は布団から顔を出した。





「……今思い出した。昔の女が使ってた香水だ」







「意味は『優しい毒』だ……







嫌な予感がする。お前気をつけろよ……」








< 42 / 494 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop