TENDRE POISON ~優しい毒~
状況は整った。
何故今日にしようかと思ったかって?
計画を実行するのに、急ぐ必要があったから。
これ以上神代と一緒にいたら……
あたしが辛くなる。
離れがたくなる。
復讐を忘れて、自分勝手に恋を成就させようとしてしまう。
でも、そんなのだめ。
あたしは乃亜姉に誓ったんだもん。
絶対に神代を許さないって。
絶対に復讐してやる―――って。
たとえ乃亜姉が望んでいなくても……
あたしの足元でゆずがくぅんと小さく鳴いてあたしの足首に擦り寄ってくる。
まるであたしのこれからの行動を咎めるように。
『バカな真似は止して』
と言われてる気がしたけれど、あたしはゆずに悲しそうに微笑んで彼女を抱き上げた。
「ごめんね、ゆず。ゆずとも今日でお別れだね。
今までありがとうね。大好きだよ。
バイバイ」