TENDRE POISON ~優しい毒~
「まこ~いる?」
控えめにノックして保健室のドアを開ける。
いつのも机にまこの姿はなかった。
ふいに、ベッドにかかっていたカーテンが開き、
「おう」とまこが顔を出した。
僕はぎょっとした。
まこの顔が傷だらけになっている。
こめかみから頬にかけて引っかき傷があったし、口の端には血の跡がある。
「ど!どうしたの!?」
「ちょうど良かった。ほれっ」
まこは何でもないかのように言うと、カーテンを開けて楠 明良と梶田の首根っこを掴んで僕の前にずいと押し出した。
「!?」
楠や梶田もあちこちが傷だらけになっている。
「ってーな!!離せよ!くそじじぃ」楠が怒鳴った。
その頭をまこが容赦なくはたいた。
喧嘩でもしたのか?
状況がよく読めない。
「何があったの!?」