TENDRE POISON ~優しい毒~
思ったより長風呂になってしまった。
二人とも、茹蛸のように顔を赤くしている。
でも二人で入る風呂は、何だかとても心地よかった。
僕が何の気なしにタバコを口に含むと、鬼頭はそのタバコを横から取り上げた。
「なに……?」
とい問いかけは鬼頭からのキスでかき消された。
熱を含んだように熱い唇を離すと、
「どうしたの?」とちょっと嬉しく、また恥ずかしそうに笑って聞いた。
鬼頭と初めてした車でのキスを思い出す。
「どうしたの?じゃないよ」
唇を尖らせると、鬼頭は僕の上におもむろに乗っかってきた。
ドキリとする。
誘っているのだろうか。
「先生って草食系?」鬼頭は微笑んだ。ちょっと挑発的とも言える色っぽい微笑みだった。
僕はちょっと考えたけど、すぐに微笑みを返し
鬼頭をソファに倒した。
鬼頭の腕が僕の首に巻きついてくる。
「ここでいいの?」
「ん。ここがいい。あのベッドはいや。エマさんとしたところだもん」
僕は思わず苦笑した。
「今度ベッド買いにいこっか」
そう柔らかく微笑んで、鬼頭の……雅の白い首筋に口付けを落とす。
そのときだった。