TENDRE POISON ~優しい毒~
「はい」
扉を開けると、スーパーのビニール袋をずいと出された。中に色んな食材が入っていて、ねぎが飛び出ている。
「よ!暇か?暇だよなぁ。遊びに来てやったぞ」
無遠慮に言ってまこはにっと白い歯を見せて笑った。
「あのねぇ……僕だってそう暇じゃ……」
「何だよ、鬼頭とじゃれあってたところか?」
「じゃれっ!!ち、違うよ!」僕は顔を真っ赤にして言った。
「だったらいいじゃねぇか。千夏も連れてきたから四人で鍋でもしようぜ」
え?千夏さんも。
僕はまこの後ろをそっと覗いた。
まこの高い身長に隠れるように千夏さんが、申し訳なさそうに立っていた。