TENDRE POISON ~優しい毒~
「あんなおっさんより絶対俺の方がお似合いだって」
「え?いや……おっさんって歳でもないでしょ……」
どう突っ込んでいいのか分からなかったから、とりあえず思ったことを口にする。
「24なんて俺らから見たらおっさんじゃん?とりあえず俺は卒業するまでの2年間、同じ階で学校生活送るし、俺の方が鬼頭に近いもんね」
え?いやいやいや……近いもんね、じゃないし。
「見てろよ!神代。ぜって~お前から鬼頭を奪ってやるからな」
なんか……火を点けちゃったみたい。
でも、ま。いいか。
「梶、これからもとりあえず2年間はよろしくね」
あたしは手を差し出した。
握手のつもりで、だ。
だけど梶はあたしの手を取るとおもむろに自分の方へ引き寄せた。
予想してなかったことで、あたしの体が簡単に傾く。
「よろしく♪」
ちゅっと音がして、梶の唇があたしの頬を掠めた。
「ちょ!梶!!!」
あたしは真っ赤になって頬をさすった。
梶……あたしホントは梶に感謝してる。
梶はあたしの心の支えでもあったんだよ。
こんなあたしを好きになってくれて
ありがと。